オリンピックなどでおなじみのアーチェリーは、初心者でも気軽に始められるスポーツです。
アーチェリーの歴史は古く、世界では弓矢が紀元前2万年頃から狩猟のために活用されてきました。現代のアーチェリーの原型は16世紀のイギリスで確立されたと言われ、現在では世界中の人が様々な種類のアーチェリーを楽しんでいます。
こちらではアーチェリーの種類と、アーチェリー上達のための指導を受けるコツについてご紹介いたします。
【アーチェリー指導】アーチェリーの種類や初心者の練習方法
アーチェリーの種目には複数の種類があり、プレイ環境や使用される弓、的までの距離などがそれぞれ異なります。それぞれの競技には、リカーブボウやコンパウンドボウ、ベアボウなどスタイルの異なる弓を使います。
まずはアーチェリーの競技の種類をチェックしましょう。またこちらでは、アーチェリー初心者におすすめの練習テクニックについてもご紹介いたします。
■ 【アーチェリー指導】アーチェリーの種類
アーチェリーの競技には主に、ターゲットアーチェリーやインドアアーチェリー、フィールドアーチェリーといった種類があります。また、プレイ環境や的までの距離を変えて行われるアーチェリーの種目も数多くあります。中にはリカーブボウやコンパウンドボウなど、使用する弓によって競技条件が異なる種目もあるので覚えておきましょう。
・ターゲットアーチェリー
ターゲットアーチェリーは、屋外の平坦なフィールドで行われる種目です。ターゲットアーチェリーにはオリンピックラウンドのほか、ショートハーフ(50m、30m)70mダブル、50mダブル、シングルラウンド(1440ラウンド)などの種類があります。
中でもオリンピックラウンドは、オリンピックだけでなくメジャーな競技会のほとんどで採用される形式です。
・インドアアーチェリー
インドアアーチェリーはその名のとおり、室内でプレイするターゲットアーチェリーです。
屋外でのプレイが難しい冬季に多く行われるインドアアーチェリーには、天候や風向きにシューティングが左右されないというよさがあります。
インドアアーチェリーでは、18m先の40cmの的を射抜く競技を1エンド3射、合計20エンド行い勝敗を競います。
・フィールドアーチェリー
フィールドアーチェリーは山や森、林など自然の中で行うアーチェリーの種目です。ゴルフのようにフィールドをめぐり、高低差や障害物のあるフィールドでのシューティング技術を競います。
中でもアンマークドと呼ばれるフィールドアーチェリーでは、距離を自身で算定して照準を調整する必要があります。
・3Dアーチェリー
3Dアーチェリーは、動物などの形をした3Dの的を目がけてシューティングをする種目です。
・スキーアーチェリー
クロスカントリースキーをしながらアーチェリーを楽しむ種目もあります。
・フライトアーチェリー
フライトアーチェリーは矢の飛距離を競う種目です。的は存在せず、広い競技場でとにかく遠くまで矢を飛ばした選手が勝ちとなります。
・ホースバックアーチェリー
ホースバックアーチェリーは、流鏑馬によく似た競技です。乗馬しながら的を射抜くためには高い技術が必要となります。
・70mW/50mW
主に大会の予選として行われる機会が多い種目です。オリンピックや国体などではリカーブボウが使われるため、こちらではリカーブボウを使用する場合の例をご紹介いたします。リカーブボウを用いてこの種目に挑む場合、70mで72射します。リカーブボウではなくコンパウンドボウであれば50mに対して72射します。それぞれ合計の点数で競い合う種目です。
■ 【アーチェリー指導】初心者の練習方法
アーチェリーを始めるためには道具一式を揃える必要があります。また、専用の施設でなければアーチェリーはプレイできないため、まずは近隣で最適な練習場を探しましょう。
アーチェリーは、正しい方法で行わなければケガをするおそれのあるスポーツです。初心者は、専門家にアーチェリーの指導やサポートをしてもらうのが最適です。アーチェリーの体験会や初心者講習会に参加してみましょう。
初心者はまず弓に矢をつがえずにフォームを覚えた後、矢を射る練習をすることをおすすめします。
・素引きを繰り返す
アーチェリー初心者はいきなりスコアアップを目指すよりも、素引きの練習から始めるのが一般的です。素引きとは、弓に矢をつがえない状態で弦を引く練習のことをいいます。
まずは、弓のストリングを力いっぱい引くフルドローの状態をキープします。フルドローで7秒間保ったらゆっくりとストリングを戻し、2秒休みます。この練習を繰り返し行います。
素引きのときには、正十字と呼ばれるポーズをキープしましょう。正十字とは体がきれいな十字になるようなフォームのことをいいます。
素引きのときには肩幅に足を開き、背筋をまっすぐに伸ばします。この状態で両手を肩の高さに合わせて左右に開きましょう。的のほうに向かって顎を引いて弓を構え、顎の下に引き手を添えるようにすれば、正十字のポーズになります。
・矢を射る練習をする
十分に素引きの練習をしたら、実際に矢を射る練習を始めます。
しかし、アーチェリーの矢には複数の種類があるため、自分に合った弓を見極めるのは難しいものです。まずは初心者向けの弓を使って矢を射る練習をして、精度を高めていきましょう。
アーチェリーにはほかのスポーツとは違う筋肉を使う必要があるため、始めのうちはスコアアップはおろか体の動かし方すらわからないかもしれません。体全体に力を入れて弦を引くようなイメージで反復練習をすれば、スコアアップしやすくなります。
【アーチェリー指導】リリースの仕方や押し手が負けてくる原因
アーチェリーでスコアアップを目指すのなら、精度の高いリリースのコツを覚えましょう。はじめのうちはなかなかシューティングがうまくいかないものですが、コツを覚えれば的中率はどんどん上がっていきます。スコアアップも自ずと狙えるようになってきます。
アーチェリー初心者は、ドローイングのときに押し手が負けてしまうことがあるので注意が必要です。こちらでは、上達のためのポイントを見ていきましょう。
■ 【アーチェリー指導】リリースの仕方
アーチェリーにおけるリリースとは、矢を発射したあとの引き手の動作のことをいいます。
矢を放つ動作は一瞬のことですし、その瞬間に弓に力が加わるため、リリースがブレてしまうこともあるものです。リリースがうまくいかないと矢の的中率も下がってしまうため、以下のような方法で正しいフォームを練習しましょう。
・人差し指を意識する
人差し指にちゃんとしたテンションがかかってない場合、弦が指を抜ける際に不要なテンションをかけ、弦が暴れてしまいます。
取り掛けをセットした際に、人差し指にちゃんとテンションがかかっているかを確認してみましょう。
・人差し指が顎をなぞるラインを意識する
アーチェリーの弦を引き、アンカーリングを際には顎に人差し指の第2・第3関節がしっかりと顎と密着している必要があります。リリースのときには、この人差し指が顎をなぞるようなラインを意識しましょう。
指が顎をなぞるようなラインを意識すれば、弓を手放したあとに矢筋が通りやすくなります。矢を射るときには弦に力が加わりますが、正しく指を添えていれば矢がブレにくくなるのです。リリースが膨らんでしまう方は指が顎から離れてしまっている可能性があるため、指がきれいに顎をなぞるよう練習しましょう。
・リリースのときに力を入れすぎない
リリースのときに体に力が入っているために、うまく矢を射ることができないケースもあります。リリースのときには、余計な力が入らないよう意識してみましょう。
アーチェリーの矢は自身の力で飛ばすのではなく、弦が元に戻るときの反動で発射されます。リリースの際には弦が自然と指を押し出して抜けていくイメージを持ち、肘が背中側にしっかりと抜けていくように力をかけます。このとき、肘先が円を描きながら背中側に抜けていくことが大切です。
・フォームに注目する
アーチェリーの練習で多く見受けられる誤解は、グルーピングやスコアを意識することです。アーチェリーは目で狙って射つ競技ではなく、フォームを意識して再現性を高める競技です。リリースを含めて、自分がどのように射っているのか、第三者目線から見て綺麗に射てているのかを考えながら練習することで、自然とグルーピングがよくなり、スコアが向上します。グルーピングとは、矢を当てた箇所の集まりを指したものです。より高い精度でフォームが安定すれば、グルーピングは自然と小さくなっていきます。
リリースの練習のために自分の手元ばかりを意識するのではなく、一度的を確認してみましょう。グルーピングが中心からずれていたり、大きかったりする場合は、狙ったところに飛ばすように調整することが大切です。
■ 【アーチェリー指導】押し手が負ける原因
アーチェリー初心者は、ドローイングのときに押し手が負けて肩が詰まってしまうことがあります。押し手が負けてしまうとアーチェリーのシューティング精度も下がってしまうので、意識的な改善が必要となります。
アーチェリーで押し手が負ける場合には、以下のような原因が考えられます。
・筋力が不足している
アーチェリーに必須となる筋力が発達していないために、押し手が負けてしまうというケースは多いものです。アーチェリーの弓は意外と重いため、筋力が不足していると十分に支えることができません。
筋力不足で押し手が負けていると感じるときには、弓のセッティングを軽くしたりウエイトを少なくしたりしてみましょう。
また、押し手と引き手のバランスを保てるよう、腕や肩の筋トレをすることも重要です。筋トレを続けているうちに、アーチェリーの弓を構えるときのバランスは自然と整っていきます。
・肩が上がっている
押し手の肘を返そうとするときには、どうしても肩が上がってしまうものです。特に、疲労が溜まっているときには肩が上がってバランスが崩れ、押し手が負けやすくなります。
アーチェリーのときには、肩を上げずに腕だけを上げるように意識します。体の構造上、肩甲骨が背中側に寄って腕が上がってしまうのは仕方ないことですが、できるだけ肩の位置を保つよう心がけましょう。
また、スタビライザーをつけたときに弓の重さを支えるために肩が上がってしまうケースもあります。時間をかけて弓のセットアップをすれば肩が上がるのを防げるため、押し手が負けにくくなります。
・セットポジションで、正しいグリップができていない
弓と接しているグリップ部分は、押し手の肩と大きな関連があります。グリップの設定や、弓のグリップの高さ一つでも、押し手の肩が不安定になる原因となります。
グリップをセットする際には、母指球、つまり親指の付け根からテンションをかけるようにしましょう。また、弓を持ち上げる際にも、押し手を掬い上げるように持ち上げることが、フルドロー時の押し手の肩の安定性には大切です。
専門家やトレーナーの指導を受けることがアーチェリー上達の近道
アーチェリー初心者はまず素引きの練習から始め、続いて軽い弓を使って矢を射る練習をしていきましょう。リリースがうまくいかないときや押し手が負けてしまうときには、正しいフォームを心がけることが大切です。また、グルーピングの確認も大切です。
アーチェリーを始めるときには、専門スキルを持つトレーナーや指導者を探すことが大切です。指導を受けながらシューティングをすれば、アーチェリーの腕前はどんどん上達していくでしょう。そのうち自ずとスコアアップしてくるはずです。
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コーチ紹介
アーチェリークラブ代表挨拶
ホームページをご覧いただきありがとうございます。アーチェリーという競技は、始めてみたいがどう始めたらいいのかわからない。運動が苦手だから難しそう。というようなイメージから、勝手にハードルが上がっている競技だと思っています。また、上手くなりたいがちゃんとした指導者がいない、というところでもまだまだ発展途上の競技だと感じています。小学校3年生から高校卒業まで剣道一筋だった私は、大学入学と同時に始めたアーチェリーに剣道にはなかった「1人でも練習できる、勝も負けるも自分次第、真ん中を射った時の爽快感」といったアーチェリーの魅力にのめり込みました。
そんな最中、もっと上達したいと思った私は、指導者がいない・コーチングメソッドが確立していないことをきっかけに、現状を打破しようとアーチェリー界では世界最高峰と称されるリー・キーシク氏からコーチングとアーチェリーの本質を学ぶため、単身アメリカへ渡ることを決意しました。4年間に及ぶ現地での大学生活中、運動生理学とスポーツ心理学を納めるとともに、世界で最も科学的なコーチングシステムである「KSLショットサイクル」についての資格を獲得しました。トクソフィライツは、私がアメリカで体得した知識と経験を提供し、「アーチェリーを通じ、各選手が自身の個性を発揮しあらゆる分野において他者の見本となる人間形成を行う。」を理念に、次世代選手の育成を行います。
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